本記事では、エステサロンの集客戦略について詳しく解説します。これからエステサロンの開業を控えている方や、現在の集客方法にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
エステティック業界は入れ替わりが激しく、集客に苦労する運営者も少なくありません。しかし多様化する集客方法をうまく活用することができれば、長く安定した経営の手助けになるでしょう。
本記事では、エステサロンにおける集客方法の種類やポイントを詳しく解説しています。
エステサロン経営において集客が重要な理由
特定の資格が求められないことなどから、開業のハードルが低く見えるエステサロンですが、安定した経営を続けることは決して容易ではありません。
事実、エステティック業が属する「生活関連サービス業、娯楽業」は、開業率と共に廃業率も高いことが厚生労働省の統計からもわかっています。
運営を支えるのは、言うまでもなく集客力です。どんなに素晴らしいエステサロンをつくっても、顧客を集められなければ経営は成り立ちません。
これからエステサロンの開業を控えているのであれば、サロンづくりと共に集客についての戦略も早めに考えておく必要があるでしょう。
また既にエステサロンを運営しているものの集客が思い通りにいかない場合は、本記事で紹介する集客方法や集客のコツなどを参考にしてください。
集客の効果を高める3つのポイント
集客は、闇雲に多くの方法を試せばよいわけではありません。効果的に集客するためには、具体的な集客方法を知る前に以下の3つのポイントを確認することが重要です。
- 集客のターゲット
- エステサロンのコンセプトとのマッチング
- 適した集客方法の種類
それぞれについて詳しく解説します。
ポイント1.集客のターゲットは明確か
集客は、ターゲットを明確にした上で具体的な策を講じる必要があります。
たとえば新規顧客を獲得するためにエステサロンの存在を認知してもらいたいのか、過去に利用歴のある顧客にリピーターになってもらいたいのかによって、集客の戦略は異なります。
また現在顧客として獲得できていない特定の年齢層をターゲットとして定めることもあるでしょう。
設定するターゲットが詳細になることで具体的な集客戦略が決まり、より高い効果を期待できます。またターゲットに応じてさまざまな集客方法を使い分けることも可能になるのです。
ポイント2.エステサロンのコンセプトにマッチしているか
集客の施策は、エステサロンのコンセプトからブレないように注意が必要です。
たとえば高級感が売りのエステサロンで、低価格を前面に押し出したキャンペーンで目を引こうとすると、これまでの客層が離れてしまう恐れもあるでしょう。
エステサロンの雰囲気に魅力を感じて通っている顧客も少なくありません。成功している他社のやり方につられて、自社らしさを見失わないように注意が必要です。
集客を行う際にも、あくまで自社のエステサロンのコンセプトに沿っていることが重要です。
ポイント3.適した集客方法を選択しているか
実際に集客に利用する媒体は、ターゲットが利用する割合が高いものを選ぶと効率的です。
たとえば若年層を幅広くターゲットとする場合はSNSを中心に集客を行います。またSNSとひとことで言っても、プラットフォームによって利用者の層は異なるため、属性などを確認して使い分ける必要があるでしょう。
一方で近隣地域の年齢層が高めの層をターゲットとするならば、地域誌への広告掲載や対象地域内でチラシのポスティングも効果が期待できます。
ターゲットによって効果的な集客方法は異なるため、適切な選択が求められるのです。
新規顧客の獲得に効果的なエステサロンの集客方法7選
どんなに費用をかけてエステサロンをオープンしても、顧客が集まらないことには経営は成り立ちません。
本項では、エステサロンで新規顧客を獲得するために効果的な集客方法を解説します。
集客方法1.ホームページを開設
ホームページは、集客の要として必ず準備したい重要なものです。インターネットで情報収集をすることが一般的な現代では、公式のホームページをしっかり準備していることでエステサロンへの信頼度を高めることができます。
ホームページの役割は、エステサロンの存在を認知し興味をもった見込み客に対して、提供するサービスや商品・営業時間などを詳しく紹介することです。
また画像や動画を用いてエステサロン内の施設などについても紹介することで、顧客に来店後をイメージさせることも可能です。
更にホームページ内に予約フォームを設置すれば、外部のプラットフォームを利用せずに集客ができます。
ただし、ホームページのみで集客するのは現実的ではありません。とくに開業間もなくは、他の集客経路を通じてホームページに誘導するのが一般的な流れでしょう。
ホームページは制作代行会社に依頼するほか、専門知識がなくても利用できるツールを用いて制作することも可能です。
いずれの場合も、制作だけでなく運用開始後の更新作業のしやすさなどを考慮しましょう。
集客方法2.ブログ運営
ホームページと併せて、エステサロンの運営者やスタッフによるブログも積極的に更新しましょう。ホームページよりも気軽に更新できるのがブログの魅力です。
ブログでは、エステサロンのサービスだけでなく休日の過ごし方など発信し、スタッフに対して親近感をもってもらうきっかけづくりにも役立ちます。ただしエステサロンを利用する顧客にとってまったく興味をもてなさそうな内容は避けるようにしましょう。
ブログサービスは無料のものも充実しているため、費用をかけずにすぐに始められます。サロンの開業準備の様子の記録からブログに残しておくのもよいでしょう。
ブログ内にはホームページへのリンクを設置し、またホームページにはブログへのリンクを設置してお互いへの導線をつくりましょう。
集客方法3.SNSアカウントの運用
InstagramやTwitterに代表されるSNSは、リアルタイムで情報を届けやすいだけでなく、拡散力を利用した新規顧客の獲得にも有効な手段です。
スマホ1台で気軽に投稿でき、基本的な機能は無料で利用できるのも大きな魅力でしょう。
ホームページの更新をSNSで知らせたり、ブログ記事からSNSへ誘導したり、他の集客方法とリンクさせることで相乗効果も期待できます。
以下の記事では、エステサロンの集客に特化したSNSの活用方法について解説しています。
SNSを利用したエステサロンの集客のコツとは?ターゲット別のSNS活用法を紹介
集客方法4.Web広告(インターネット広告)を出稿
Web広告とは、インターネット上に表示させる広告の総称で、具体的には以下のようなものがあります。
- リスティング広告(特定の検索結果に表示させる広告)
- バナー広告(広告枠として解放されたスペースに表示させる広告)
- SNS広告(SNS上に、ユーザー属性などを絞って表示させる広告)
Web広告はターゲットを絞って広告を表示できるため、効率的な集客方法であると言えます。
しかしその一方で、効果的な広告の選択や運用には一定の知識が必要です。また費用もかかるため、他の集客方法を試してから取り入れるかを考えるのもよいでしょう。
集客方法5.オフライン広告の掲載
オフライン広告はインターネット広告が登場する以前から長く存在するもので、具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 新聞や雑誌に掲載する広告
- 街中に設置する看板
- 街頭で配布するチラシ
- 地方テレビ局やラジオ局で流すCM
インターネット広告が主流になりつつあるものの、場合によっては、オフラインの広告が新規顧客の集客に効果をもたらすケースもあります。必要に応じて使い分けることが大切です。
集客方法6.ポータルサイトに登録
同業者の情報が集まるポータルサイトへの登録も、新規顧客の集客に有効な手段です。顧客の中には、特定のポータルサイト内で店舗を探すケースも珍しくありません。
エステサロンの場合は「ホットペッパービューティー」や「楽天ビューティー」など、美容系のメジャーなポータルサイトへ登録して露出度を増やすことができます。
ポータルサイトの多くは予約機能を備えています。ホームページを準備するまでに時間がかかる場合は、まず登録しておくのもひとつの選択肢でしょう。
集客方法7.Googleマイビジネスに登録
「Googleマイビジネス」は、Googleマップ上に表示される店舗の情報を正しく管理するためのツールであり、地域を限定してエステサロンを探している人を集客するために有効な手段です。
Googleマイビジネスにオーナー登録することで、エステサロンの情報を更新したり、顧客から寄せられた口コミに返信したりできるようになります。またリンクを設置してホームページへの誘導を狙うことも可能です。
利用料は無料で、スマートフォンから手軽に管理できるアプリも準備されています。
Googleマイビジネスへの登録について詳しくは公式ページをご覧ください。
リピーター顧客を増やすための集客方法5選
新規の集客だけでなく、ひとりでも多くのリピーターを増やすことが経営の安定につながります。本項では、エステサロンを利用した顧客がリピーターとして再度来店してもらえるためのコツについて解説します。
サービスの質を高く保つ
リピーターを獲得するために、サービスの質を高く保つことは重要です。
せっかくエステサロンを訪れた新規顧客でも、肝心のサービスに満足しなければ次回の来店にはつながりません。
いつ来店しても、どのスタッフが担当になっても、安定して質の高いサービスが受けられれば「このエステサロンなら安心だから、定期コースに申し込んでみたい」などと感じてもらえるでしょう。
サービスとは施術の技術だけではありません。常に清潔な店内を保つこと、来店から退店までスムーズな誘導をすることなど、顧客がエステサロンで体験する全てです。
満足度を調査し改善を繰り返す
質の高いサービスを提供しているつもりでも、エステサロンを利用した顧客の実際の満足度は調査してみなければわかりません。
実際にエステサロンを利用した顧客の満足度を調べるためには、積極的にカウンセリングやアンケートを行うことがおすすめです。サービスを受けた感想や今後の要望などリアルな意見を受け止め、今後のサービス改善に活かしましょう。
常にサービス向上を目指す姿勢が、長く通ってくれるリピーターが増える要因となるのです。
継続利用を促す
顧客が継続的にエステサロンを利用しやすいような仕組みづくりも工夫しましょう。
たとえば退店時に次回の予約を積極的に案内したり、ポイントシステムの導入でリピート利用のメリットをアピールしたりすると効果的です。
またリピーター割引を導入するなど、継続利用することで顧客にメリットをもたらす仕組みも喜ばれます。
DM(ダイレクトメール)を送る
前回の利用から期間が空いてしまった顧客には、ダイレクトメールを送って来店を促しましょう。
新サービスやイベントの案内、優待料金でサービスが受けられるクーポンなど、再来店のきっかけとなる情報を届けるとより効果的です。また前回利用のお礼を手書きで添えるなどの小さな工夫も欠かさず行いましょう。
情報発信を定期的に行う
ブログやSNSなどの投稿は定期的に行うことが大切です。常に最新情報が更新されていることで、エステサロンが活発に運営されていることが伝わるからです。
最後の投稿から数ヶ月が経過しているような場合では、せっかくリピート利用を考えていた顧客も来店するのが不安になってしまうでしょう。
また一方的に情報を発信するだけではなく、コメントのやりとりなどを通してユーザーと交流を深めることで、親しみを感じた顧客がリピーター化することも期待できます。
コロナ禍におけるエステサロン集客のコツ
長期化するコロナ禍で安定した集客を実現するためには、顧客に安心してエステサロンを利用してもらえるような工夫が必要不可欠です。
本項では、コロナ禍ならではのエステサロン集客のコツについて解説します。
感染対策を徹底する
当然のことながら、まずは基本的な感染対策を徹底する必要があります。エステサロンでは施術者が顧客の体に直接触れることもあるため、特に慎重な対策が求められるでしょう。
利用者およびスタッフの体調チェック(検温など)
施術を受ける顧客だけではなく、スタッフの体調チェックは必ず行いましょう。スタッフは体調に関わらず毎日の検温を行い、勤務開始前に申告するなどのルールを定めておく必要があります。また顧客には、予約時に以下のことを伝えておくとスムーズです。
- 体調が優れない場合は当日キャンセルを受け付けること
- 来店時に検温を行うこと
- 検温の結果によってはサロン側から施術日の延期をお願いする可能性があること
不安があるときにはキャンセルしやすいような雰囲気づくり、またスタッフも休みを取りやすい体制づくりが重要です。
消毒・除菌
利用者に直接触れることもある施術者の手指はもちろん、使用する設備や器具なども、こまめに消毒しましょう。消毒作業をしっかり行うために、予約の間隔を通常時よりも長くとるなどの工夫も必要です。
飛沫対策
ウイルスを含む飛沫が拡散することによって感染は拡大します。マスクはもちろん、ゴーグルやグローブ、ファイスシールドなどを活用して直接飛沫に触れる機会を減らすことを心がけましょう。
可能な限り使い捨てできるものを使用し、そうでないものはこまめに消毒する必要があります。
「3密」を避ける
「3密」と呼ばれる密接・密集・密閉は、コロナウイルスの感染リスクを高める要因です。以下のような対策を講じることで、リスクの軽減に努めましょう。
密接対策 | 利用者とスタッフの接触の機会を減らす ・オンライン予約システムを導入する ・非接触型の決済方法を導入する(電子マネーなど) |
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密集対策 | 利用者同士のソーシャルディスタンスを保つ ・予約時間の間隔や予約人数を調整する ・サロン内でのスペースを確保する |
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密閉対策 | エステサロン内の空気を循環させる ・定期的に(可能なら常に)換気を行う ・スタッフは定期的に休憩を取り外の空気を吸う |
積極的に情報発信する
エステサロンで実行している対策は、積極的に発信することが重要です。どんなに真剣に取り組んでも、顧客に伝わらなければ不安な気持ちを払拭するのは難しいからです。
- エステサロンで採用しているガイドラインをホームページ内に掲載する
- SNSに感染対策の様子(検温や消毒作業など)を画像や動画で投稿する
- 自治体で定められたガイドラインを遵守していることを示す
(認可店に発行されるステッカーなどがあれば目立つ場所に掲示する)
このようにさまざまな媒体で積極的に発信することで顧客に安心感を与えることが有効です。
さいごに
エステサロンは比較的開業しやすいものの、廃業率も高く経営が難しい業種でもあります。そのため長期的に安定した経営を続けるためには、サービスの質だけでなく集客戦略も重要です。
インターネット文化が発達した近年において集客方法も多様化しています。集客のターゲットやエステサロンが掲げているコンセプトなども考えながら、適切な方法を選択することがより効果を高めるでしょう。