本記事では、代金を前払いし、エステのサービスを受ける途中でサロンが閉店してしまった場合の返金対応やその後の施術について紹介します。
なかでも本記事では、エステサロンが閉店してしまった方に向けて、主に下記内容について解説します。
・倒産後の返金対応について
・倒産後の施術について
・倒産後の相談先について
エステのサービスを受ける途中で、「通っていたサロンが突然閉店してしまった…」こんな状況に陥った時、返金はどうなる?その後の施術は?と不安になることでしょう。
もしもそのような立場に自分が立ってしまった時のために、サロン倒産の事例、倒産した場合の返金、契約中に倒産した際にできることなどを確認しておきましょう。
大手サロンであれば安心?脱毛サロンの倒産事例
2015年から2016年にかけて、大手脱毛サロンである「ミュゼプラチナム」が経営破綻に陥ったというニュースを目にしたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当時のミュゼプラチナムの運営会社は、圧倒的な低価格を売りにし広告費に巨額な費用をかけることで会員数を増加させていました。しかしその結果、予約が取れないことなどを不満とした会員の解約が相次ぎ、経営破綻に追い込まれました。
経営破綻への段階として、2015年4月頃からミュゼプラチナムを運営していたジンコーポレーションの資金繰りの悪さが露見されるようになり、従業員へのボーナスもカット、毎年行っていた社員旅行もなくなっていたようです。
このようなニュースがネット上で報道されたことで、ミュゼプラチナム倒産の噂が表ざたになりました。噂や情報がネット上で流れて以降は、会員の解約が多発したことにより、代金の返金が増えてしまい資金繰りがより悪化していったと言われています。
その後、2015年12月にミュゼプラチナムは、同サロンを運営していた株式会社ジンコーポレーションより株式会社RVHへと引き継がれました。(2020年2月26日 RVH社はエステ事業より撤退し株式会社G.Pホールディングへ事業譲渡しています)
破綻へと追い込まれたミュゼプラチナムでしたが、RVHの子会社としてミュゼプラチナムに資金援助をしたことで、ミュゼプラチナムは立ち直り、現在も運営を継続しています。
そのこともあり、経営破綻前に契約していたミュゼプラチナムの会員は、そのまま継続してサービスを受けられることになりました。ミュゼプラチナムの例では、倒産は避けられましたが大手のサロンでも倒産をしているケースは多々あります。
返金はしてもらえる?
現金払い
料金を前払いで支払いしたのにも関わらず、通っているエステサロンが突然閉店してしまった場合、「支払った料金はどうなるんだろう?」と疑問に思いますよね。
結論から言いますと、現金で支払いをしていた場合、返金をしてもらえる可能性は極めて低いです。
返金してもらえない理由を具体的に説明すると、エステサロンが破産手続きをした場合には、残っている資金をまずはエステサロンの従業員への賃金として優先的に支払われる為です。
その後に顧客に対して前払いで受け取ったお金を返金する余裕があれば返金されるケースもありますが、倒産・破産している時点でそのエステサロンには金銭の余裕がないことが多く、返金される可能性は見込めないのです。
例えば、契約したエステサロンが株式会社のような組織であれば、その後に管財人や代理弁護士が対応しくれるかもしれませんが、小さな個人経営のエステサロンですと夜逃げのような形である日連絡がとれなくなってしまうケースもあります。
そのため、返金への対応を申し出ること自体が厳しくなるのが現状です。
ローンでの分割払い
ローンの支払いが残っている中で、エステサロンが倒産した場合には、ローンの支払いを停止できる可能性があります!
この場合には、クレジットカード会社やローン会社へ契約したエステサロンが倒産した旨を説明し、今後の支払いについて相談をしましょう。
この時に大切なのは、ローンの支払いを停止するためには、「契約書の控え」と「消化済みのサービスの回数を証明できるもの(予約の証明ができるメール)」などが必要です。
契約書の控えや予約を証明できるものがない場合には、支払いを停止できる可能性は低くなってしまうでしょう。
エステサロンが倒産したことを知った場合は、その時点で早めにクレジットカード会社やローン会社へ相談することをおすすめします。
今後エステサロンに通う予定の方や、すでに通っている方に向けてお伝えしたいのは、契約した時の契約書の控えを取っておくこと、エステサロンで何回分のサービスを消化したかを証明できるものを取っておくこと、この2点です。
分割を組みたくないから一括で払ってしまうという方もいるかと思います。万が一のために、エステなどの役務系の契約では、支払い方法の選択肢を増やすことも検討してみてください。また、契約書面等は紛失してしまわないよう、保管場所を決めておきましょう。
その後の施術はどうなるの?
今まで通っていたサロンが倒産した以上は、施術の継続をするのは実質不可能です。しかし、倒産サロンの中には「①業務を別のサロンに譲渡し、継続して施術を受けさせてもらえるケース」と「②運営会社だけ引き継がれ、サロンは今まで通り同じところに通えるケース」の2つがあります。ミュゼの事例はまさに②に当てはまりますよね。
①の業務を別のサロンに引き継ぎ施術を受けさせてもらえる場合、今までどおりに通える場合、ひとまずは安心と思う方もいるかもしれませんが、その前に考えなくてはならないことがあります。
まず、サロンによってサービスが異なるため、業務や顧客の契約を引き継いでいたとしても今までと全く同じサービスを提供してもらえるかどうかはわからないという点。
2つ目が、引き継がれたサロンから新たな入会金の請求や追加料金の支払いを求められる可能性があるという点。
業務が引き継がれているからといって、これからも安心して通える!…というわけにもいかなそうですね。
もしも通っているサロンが倒産してしまったらまずは何をすればいいの!?
契約をしているエステサロンが突然倒産した場合、返金してほしい気持ちもあるでしょうし、腹立たしさから泣き寝入りしたくない!と思うのが多くの方の意見でしょう。
返金される可能性は低いかもしれませんが、このようなトラブルが起きてしまった時、何をすればいいのかを解説します。
消費生活センター消費生活センターへの相談
このようなトラブルに出くわした時、個人では対処するのが難しく、どうしたらいいのか…と不安になってしまいますが、そんな方の味方をしてくれるのが消費生活センターです。
消費生活センターは、商品やサービスなどを消費する消費者からの相談やお問い合わせに対応してくれる相談窓口です。エステサロンが倒産というケースは、近年増加傾向にあり、消費生活センターへ相談される方は多くいらっしゃるようです。そのため、過去の事例から貴重なアドバイスをもらえる可能性は高めです。
相談に足を運ぶ際には、エステサロンとの契約書を持参することで、スムーズに相談ができるので、契約書は忘れずに持っていきましょう!
消費者ホットライン(188)へ連絡することで近くの相談窓口を紹介してもらうことができます。
AEAエステティック相談センターへの相談
AEAエステティック相談センターは、エステサロンとの契約やサービスに関するトラブル、その他疑問について助言や情報提供をしてくれる相談窓口です。
カード会社やローン会社への相談
先ほども解説しましたが、クレジットカードやローンを利用し分割払いの支払いが残っている場合には、支払いを停止できる可能性があります!
契約しているクレジットカード会社やローン会社へ相談してみましょう。この場合には、「契約書の控え」「消化済みのサービスの回数を証明できるもの(予約が証明できるメールなど)」「残った回数券」など、契約を証明できるものが必要となります。
さいごに
本記事では、大手サロンの倒産事例を紹介し、倒産した場合の返金や施術、倒産した際の相談場所などを紹介しました!これからエステサロンと契約予定の方や、すでに契約をしている方にとっては不安を煽るような記事だったかもしれませんが、過去の事例を基にあくまで知識として知っておいて損はないと思います。
これからエステサロンと契約をする方は、きちんと契約書の控えをもらうこと、そして契約後は予約メールなどを保管しておくことが重要です。素敵なエステサロンも数多くありますし、倒産の予兆などを読み取るのは消費者目線で判断するのは非常に難しいことです。
事例は事例として頭に入れておき、万が一このような事態にあってしまった場合は、焦らず対応できるようにしておきましょう。